あおいろ自由帳

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ドアを開く話。アニガサキ第5話感想 ー7ページ目ー

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La Bella PatriaのAメロ頭のノックするような振り付けが好きなんですけど、「ドアを開く」っていうと自分で開けるか、相手に開けてもらうかの2択になるんですよね。
自分で開けるとなると例えば鍵を使って開ける、閉じてるドアを無理矢理ぶち破るとかがぱっと思い浮かびます。
じゃあ相手に開けてもらうには?
そう、ノック。
中の人へ呼び掛けるという行為が必要です。

5話でこれに該当するところは、エマが果林の部屋に遊びに来たときとエマが果林を遊びに連れ出すときですね。
どちらもエマがノックをして、果林がドアを開いています。

ちょっと話は逸れますが、ドアで思い付く童話ってありますか?
私は7匹の子ヤギが思い浮かぶんですけど。
これもオオカミが中の子ヤギに呼び掛けてドアを開けてもらう話ですね。
…これ本題に関係ある?いや、ネーヴェ。ヤギだけに。なんつって。はっはっはっ


閑話休題


アニメ本編でもう1つ閉じていたものがありましたよね。
スクールアイドルの雑誌です。
エマが部屋にやって来たとき、果林は慌ててアンケート用紙を挟みました。
PV撮影の途中でたまたま開かれる雑誌と、そこから落ちるアンケート用紙。
ここがですね、果林のこぼれ落ちる本音の様に見えるんですよね。
本音を隠した果林、それを垣間見るエマ。
彼女は気付きます。
自分は一番近くにいる果林の心も温めてあげられていなかったことに。

自分のキャラじゃないからとスクールアイドルをやってみたいという気持ちにフタをしようとする果林に、後ろから抱きしめ彼女は言います。
どんな果林でも笑顔でいられればそれが一番だと。
もっと気持ちを聞かせてと。


そして彼女は歌います。
朝香果林のために。


最後はエマの歌によって、果林のスクールアイドルをやってみたいという素直な気持ちを引き出しました。
呼び掛けたのはエマですが、ドアを開いたのは果林自身です。
エマの歌が素直になれない果林に、ドアを開き外に踏み出すきっかけを与えたのです。

エマの目指す「人の心をポカポカにするスクールアイドル」とは、誰かの心のドアを開く、例えるなら寄り添い心の氷を解かす優しい陽だまりの様なもの、誰かの心を解してあげることなのかもしれません。
その温かさに誰しもが癒され笑顔になるのでしょう。


…ああ、そういえばエマが日本に来たきっかけは日本のアイドルの歌を聞いたからでしたね。
エマもまた、ドアを開いてもらったのでしょう、あの詩に。